事件の特色
当事務所は、平成21年7月にスタートし、現在、弁護士18名(元裁判官の客員弁護士1名を含む)、事務局16名の体制です。当事務所は目の前にいる依頼者がいかに喜んでくれるかに全力投球することをモットーに、離婚・相続事件を含む家事事件の分野においては、質(解決力・提案力など)・量(相談件数、受任率など)ともに、日本でトップクラスの事務所の一つと自負しています。そのほか、一般民事事件、一般企業法務のほか、法人破産、民事再生、労働審判事件等は勿論のこと、刑事事件も引き受けています。目標とする事務所の将来像は、「中小企業向けの渉外案件も扱う総合事務所」であり、今年度からは、企業法務分野を事務所の大きな柱とするべく、Health & Beauty 部門のホームページの立ち上げ、セミナーの積極的な開催、書籍の出版など様々な施策を進めています。
また、当事務所は、事務所の名前に頼らず、自分自身の実力で勝負できる弁護士の集団となることを目指しており、そのための研修・教育に力を入れています。事務所の成長と個々の弁護士の成長がリンクしており、チャレンジ精神に充ちた弁護士事務所です。
離婚
当事務所では、男性・女性双方の依頼者から数多くの離婚に関する事件を受任しています。
特色としては、調停・訴訟といった裁判所が関与する手続きだけでなく、その前段階である協議にも力を入れて活動をしているという点が挙げられます。
受任後、まずは相手方ないし相手方代理人との協議での解決を目指すことが多く、このような進め方は珍しいと評価されることもあります。もっとも、法律上も調停前置主義がとられており、身分関係に関連する事件については、当事者間における話し合いでの解決が適しているというのが法の建前であり、かかる当事務所の対応の仕方は、法の趣旨にも沿うものと考えております。
また、当事務所では、親権が争いになる事件も多く、子の引渡しの強制執行という希少な類の事件が年間に何件もあります。そのような事件も、先輩弁護士がフォローについた上で、1年目から主担当となって事件処理をすることになるため、他事務所ではできない経験を早期の段階で積むことができます。
離婚事件は、法理論と感情論が絡み合う分野であり、難しさもありますが、その分、弁護士として総合的に成長ができる分野ですので、やりがいを持って仕事ができるのではないかと思います。
H&B
当事務所のH&B部門では、主に健康食品や化粧品の広告が法律に違反していないかをチェックする業務を行っています。これらの広告に関連する法律としては、医薬品医療機器等法(旧薬事法)、景品表示法、特定商取引法、健康増進法などが挙げられます。あまり馴染みのない法律業務かもしれませんが、最近では、景品表示法に基づく行政処分(措置命令)がニュースでも取り上げられたりすることもあり、ニーズとしては増えております。
広告審査という業務は、まだ世の中に出ていない商品の広告を見る機会もあり、こちらが指摘した部分が修正され、時には、こちらから提案した内容が広告に反映されたりすることもあります。この点で、実際のビジネスに関わっているという実感があり、やりがいのある業務です。
一方で、基本的にはクライアント側のスケジュールに合わせて業務を行いますので、短期間で業務を処理する必要があり、迅速な判断と作業が求められます。また、広告表現というのは無数にあるため、法律に照らしても、明確に違法であるとは言えない表現も多数あります。そのような表現について、違法であるかどうか、あるいは違法となるリスクがどの程度あるかを判断し、それを分かりやすくクライアントに伝える難しさもあります。
以上のような広告のチェック以外にも、様々な法律相談、リーガルリサーチ、契約書レビューといった業務や、労務案件なども取り扱っています。
相続信託
相続のご相談は、相続開始の「前」と「後」という大きく2つに分けることができます。
相続開始前は、ご自身の財産をどのようにして後世に遺すかという方法論に関するご相談が多いです。生前贈与、遺言、信託などの様々なスキームの利用を検討するほか、将来かかることが見込まれる登録免許税、相続税などの税務面にも配慮しております。また、高齢社会の到来に伴い、認知症になった親の成年後見や、相続人が10名以上存在する事案に関するご相談も増えています。
相続開始後は、遺言の執行や、相続人間のトラブルに関するご相談が多いです。遺産分割の手続を進めていくためには、相続人や相続財産の調査を行うことが不可欠であり、その手法にも精通する必要があります。また、遺産分割の前提条件として遺言の有効性を争うことから、遺産分割協議や調停、さらには不当利得返還請求など、相続に関する様々な紛争に携わることになります。
加えて、相続開始後は、死亡や保険・年金の届け出、準確定申告、相続放棄の申述、相続税申告など、届出期間の制限や申告期限のある手続が非常に多いことから、各種方面に関する知識を備えておく必要もあります。
法務面のみならず、幅広い分野の知識や経験、さらには人脈の利用が問われるところが、相続の醍醐味ともいえます。
不動産
当事務所における不動産のご相談は、ほとんどが不動産のオーナーからの相談です。ご相談者や依頼者には賃貸経営をされている方が多く、賃借人との間のトラブル、特に建物明渡請求事件、未払賃料の請求事件、原状回復請求事件といった事案のご相談が多いです。その他にも、土地の境界が問題となる事件、通行権が問題となる事件、取得時効が問題となる事件、心理的な瑕疵が問題となる事件など、不動産オーナーが巻き込まれてしまう可能性のある問題を解決する手伝いをしています。
不動産の場合、登記制度があるため、不動産の特定に問題のない事案もありますが、対象不動産が一筆の土地の一部であったり、一棟の建物の一部であった場合には、その特定性が問題となることもあります。また、不動産の現況が、登記の記載事項と異なる場合もあります。そのような場合には、必要に応じて、土地家屋調査士や測量士に測量をしてもらったりすることもありますし、現場で不動産の現況を確認することもあります。
法律の知識を学んでいるロースクール生の方からすれば、弁護士は、不動産の現場に行かないと思っている方も多いかもしれませんが、そのようなことはありません。現場に行って、実際の現場と資料を見比べて、状況を確認したり、新たな発見をするということも、問題解決のために重要な作業ですし、そのような現場確認も不動産事件の醍醐味の一つです。
交通事故
当事務所における交通事故のご相談は、ほとんどが被害者からの相談です。相談内容は、物損事故(交通事故によって、車両や物などが損傷した事故)もありますが、受任する事件のほとんどは人損事故(交通事故によって、人が死亡したり、怪我をした事故)です。
人損事故の相談者は治療中であることがほとんどです。治療中に弁護士が関与できる部分はそれほど多くありませんが、治療中で弁護士が関与する重要な場面は、症状固定(治療を継続しても症状の改善が見込めない状態)時期の確定や症状固定の際に医師に後遺障害診断書を作成してもらう場面です。当事務所では、医師の承諾を得たうえで、できる限り症状固定の診断の際の診察に立ち会うようにしており、その際に後遺障害診断書の内容に関しても医師と相談して作成してもらえるように努力しています。後遺障害診断書は、交通事故における等級認定のための重要な資料であり、依頼者の残存症状や現状を適切に記載してもらう必要があるため、作成してもらう際には気を遣わなくてはなりません。
症状固定となり、後遺障害の等級がついた後には、依頼者の損害額を算定し、保険会社や加害者の代理人と交渉することになります。実務における損害額を参考にしつつも、損害を請求できる根拠や事実関係はないか、依頼者のためにできる限り適切な損害を賠償してもらうために努力しています。
IT
IT関係といってもその内容は多岐にわたりますが、当事務所の業務分野として一定数のご依頼があるのは、インターネット上の口コミ等の削除請求です。削除請求は、大きく交渉段階と裁判段階に分類することができますが、当事務所としてのメインは前者です。すなわち、口コミ等の掲載されているウェブサイト等の管理者に問い合わせをし、該当部分の任意削除を求めるという業務を行うことになりますが、任意の削除に応じてくれるかどうかは、業者によっても異なり、対応が変化することもあるので、実務の動向を追いかけておく必要があります。
また、契約取引の中で知的財産権の処理が主たる問題となるような案件もあり、最近では、AIエンジンの開発契約にかかわる案件なども取扱っています。そのような案件では、対象となっているAI技術に関する基礎的な知識を理解するとともに、それを法律論に引き直して考えなければならない難しさがありますし、プログラム等の権利保護を著作権の枠組みで行うことの限界を感じることも多々あります。
考慮すべき事柄の多様さ、内容の複雑さといったことはもちろんのこと、眼前の問題を、現在の法制度の枠組みの中で、どのように解決できるのかといった事を考える点に難しさがありますし、常に新たな立法の状況などにも目配せする必要がある点に、苦労があるとともにやりがいを感じることができるのではないかと思います。